健康

疲労の正体

「あー疲れたー」と口にしたことがない人はいないのではないでしょうか?

1日の仕事終わりや運動後、寝る前などタイミングは様々あると思いますが、「いったい疲労は何なのか?」ということは考えたことがありますか?

今回はそんな疲労について。

疲労の原因

身体を使い過ぎると当然のように疲労が溜まります。

例えば、アスリートはほぼ毎日のように身体を追い込み、酷使してアップデートさせて強くなる、速くなることで結果を出すことを目的としているわけです。なので、疲労が溜まるのも無理ありません。ですが、一般人でさほど身体を酷使しない仕事をしている人ですら「疲れた」と言っているのが現実です。

以前は身体を酷使すると乳酸が溜まり、それが疲労の原因だと言われていましたが、よく考えるとアスリートでない一般人でも疲労を感じているのです。ということは、乳酸が疲労を感じる原因ではないというのが最近の研究によってわかってきたのです。

【疲労を感じている人の原因】その①中枢神経

人間の身体には神経というものがあります。その神経は〈中枢神経〉〈末梢神経〉の大きく2つに分けられます。中枢神経は脳から脊柱管を通っている神経で、末梢神経は脊柱管から人体の様々な組織(筋肉や内臓などの各細胞組織)へ通っている神経になります。この2つの神経の連動によって脳から組織へ、又組織から脳へと情報が伝達されていき生命活動が保たれています。

これらに異常が起こり、神経の連動に不具合が生じると、感じ方に個人差はありますが、初期の頃は「なんだかだるいな」という軽い不調の感覚から積み重なって酷くなれば「疲労が取れない」「痛み」などの症状が出てくるでしょう。

【疲労を感じている人の原因】その②自律神経

自律神経とは〈交感神経〉〈副交感神経〉の2つに分かれます。

一般的に朝目覚めてから日中に優位に働くのが交感神経、夜の時間帯から就寝中に優位に働くのが副交感神経になります。

脳は身体の司令塔の役割をしているわけですので、この自律神経のバランスに乱れが起こると脳と身体の連携が上手く取れなくなって疲労を感じやすくさせてしまう原因にもなってきます。

こんな状態が続くと、例えば、「イスに座っているだけで腰がしんどい」「脚を上げるだけでだるい」などという状態を招きます。もっとひどくなると負担が掛かっているところにさらに負担が掛かったり、補正作用で別の部分に負荷が掛かり余計にだるくなったりしてしまいます。

こうなってしまうと悪循環です。。

また、日ごろから身体を鍛えているアスリートでも、トレーニング後に心拍が正常値まで戻るのに時間が掛かるというのも自律神経の乱れが原因となっ起こってきます、なので、フィジカル的に強くても神経のバランスが乱れていると疲労にも繋がるし、パフォーマンスレベルも低下してくると言う事なのです。だから、神経バランスを正常にすることがとても大切なのです。

アスリートの場合も中枢神経にアプローチする必要がある

アスリートや運動を定期的にしている人が行うケアといえば、筋肉や関節にアプローチするというイメージが強いかもしれません。それも大事なのですが、筋肉であれ、関節であれ全て神経が司っているわけなので、中枢神経にアプローチすることが大事になってきます。

最近の研究でも、「筋肉や関節へのケア」から「中枢神経の機能を正常にし、動作をスムーズにする」という方向に転換してきました。

パフォーマンス低下や怪我の原因となる「疲れた身体」を出来るだけつくらないようにまずは中枢神経にアプローチするという考えがとても大事なことです。

睡眠不足が起こす大ダメージ

アスリートにしろ、一般人にしろ、誰もがパフォーマンス低下の原因となりえることが「睡眠不足」です。スタンフォード大学で学生を対象にした「睡眠不足がパフォーマンスに及ぼす影響についての研究」で明らかになったのは、脳へのダメージが大きいとされるアメフトの選手、比較的脳へのダメージが少なそうな水泳の選手、どちらも睡眠不足がある状態でトレーニングを行うと、脳は脳震盪を起こした状態になっており、パフォーマンスレベルの低下を招いたということです。

このことから言えることは、直接脳へのダメージがなかったとしても、睡眠不足が原因で脳へダメージを負わせているのと同じ状態だと言うことです。

なので、身体の疲労を回復させるにはある一定の適切な睡眠時間は確保する必要はあることと、翌日のパフォーマンスレベルや生産性を高めるにはとても重要なことだということがお分かりいただけるかと思います。

疲労はフィジカルだけでなくメンタルも影響する

ここまでフィジカル面のお話をしてきましたが、メンタル面が疲労に影響するということもあります。それが分かりやすい例で、ほとんど肉体労働がない仕事をしている人でも、疲労を感じてしまっているということです。

原因は様々で、その仕事が嫌だとか、上司や部下の管理だとか。

ただ、言えることは大きく2つ。「人間関係」そして、「そもそもその仕事に向いてない、好きじゃない」ということ。

「やりたいくないのにやっている(やらされている)」、「心に不満が生じてしまっている」などが気づいてないかもしれませんが、車で言うと「アクセルとブレーキを同時に踏んでしまってる状態」なわけです。つまりは、これを感じているのは脳なので、この状態では何も上手くいきませんし、心の疲労が溜まっていく一方です。

疲労を溜めない身体へするために必要なこと

フィジカル的な要素、メンタル的な要素どちらか一方だけが疲労となって現れていることは少ないです。これは人によりどちらが比重が重たいかはわかりませんが、「疲労溜まったなー」と感じる時はだいたい同じパターンで起こっているはずです。なので、日頃から自分を見つめていく必要があるわけです。

疲れを溜めない身体にしていく方法としては様々ありますが、オススメとしては以下のことが挙げられます。

👆良質な睡眠を最低6時間確保する

👆朝起きてから白湯を飲み、有酸素運動を行う。朝日を浴びてストレスホルモン(コルチゾール)を減少させる。

👆同じ姿勢を続けて行わない(座りっぱなし、立ちっぱなしなど)

👆定期的に運動を行う(筋トレは効果的。週2~3日は行う)

👆就寝約3時間前は固形物を食べない(プロテインドリンクなどは別)

👆入浴をする(温浴と冷水シャワーの交互浴は身体をリラックスさせて入眠しやすいモードになるのでおすすめ。シャワーしかない人は温水と冷水のシャワーの交互)。

👆就寝前、脳を活性化状態からおやすみモードにしていくためにブルーライトや電磁波を発するスマホやパソコンなどは触らない。そして、就寝場所から1m以上は離れた場所に置く。

👆職場での人間関係などでのストレスがある人は、そのものごとに抵抗している自分に対して自分でストレスと感じていることに気づき、理解し、受け入れる。そして、それでもストレスがあるようなら職場を変える、誰かに相談する、距離を取ってみるなどの対策をする

まとめ

疲労が当たり前になってませんか?もしかすると、当たり前とも感じてないかもしれません。

「出入口はあっても入出口はない」

こんな言葉を聞いたことがあります。疲労の蓄積もこれとよく似ていると思います。まずは蓄積しているものを出すことで、良いものが入ってくる。良いものを取り入れた時によりその効果が発揮されやすい状態が出来る。こういう循環の身体にしていけば疲労も蓄積しにくく、日々のパフォーマンスも保たれやすいはずです。

そして、予防として自分に合った身体のケアを受けることは非常におすすめです。

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