ホメオスタシスとは?【これのお陰で生きれてます】
ホメオスタシスという言葉を聞いたことがありますか?
別名、恒常性機能とも言われるのですが、特に意識しなくても通常は問題なく生命活動を行えているのはこのホメオスタシスのお陰。
ホメオスタシスとは?
体内の全ての制御過程が休みなく相互作用することにより、
体内の環境が一定に維持されること。
例えば、通常平均体温は36.6℃~37.2℃程で、これ以上の体温になろうとすると平熱に戻そうと、身体が熱を下ようとします。
また、血糖値が低い状態が続くと、生命維持機能が低下してきますので、血糖値をあげて身体が動きやすいように調整をしてくれます。
その逆で血糖値が高すぎれば下げようと調整する働きもします。
もう一つ例として、全力で100mダッシュしたときって心臓バクバクになりませんか?
でも、少し時間が経てば元の通り心拍が落ち着きますよね。そのまま心臓バクバクのままだとおかしいですよね。
つまり、心拍数が上がり過ぎたから平常の時の心拍数に戻さないと身体がヤバイということを知っているから。
このように、体内の環境を一定に保とうとする働きがホメオスタシス。
ホメオスタシスの調整
ホメオスタシスは体内の環境を一定に保とうとする働きがあるといいましたが、
実は、体内のホメオスタシスは常に乱されているのです。
例えば、このようなことはないでしょうか?
あっ!ヤバイやばい!寝坊したー朝食食べれないー😓
あー、あいつ腹立つわーマジでイライラするー(# ゚Д゚)
今度のプレゼン上手くいくかすごく心配で緊張するな…
これってどういうことかというと…
朝食を抜くということは、血糖値が下がったまま上がらずに身体が目覚め切らずに内部環境が乱される。
上手くやろうとするとするばかり必要以上に心配や不安な気持ちや人間関係などでの心理的ストレスがホメオスタシスを乱す原因になりえることもあります。
ただ、これらは体細胞が反応してすぐに回復してきます。
フィードバックシステム
ネガティブフィードバックシステムとポジティブフィードバックシステムがあります。
【ネガティブフィードバックシステム】
ネガティブフィードバックシステムは、血圧を例にすると、血圧とは血管壁を押す力のことで、心拍数が上がったり、心臓が強く収縮すると血圧は上がります。
この血圧が上がり過ぎると下げようとする(正常な元の状態に戻そうとする)のが身体の働き。
その流れを分かりやすくまとめるとこんな感じ↓↓
① 血管壁に存在する圧受容器により感知される(効果器が刺激を感知)
② 神経インパルス(入力情報を介して脳(調整中枢)へ送る
③ 脳で解釈された情報を心臓や血管へ送る(出力情報)
④ 心拍数が減少し、血管が拡張することにより血圧が低下する(効果器)
つまり、血圧が上昇(体内での刺激)したとしても、元の正常な状態に戻し、その刺激をなくしてしまうのがネガティブフィードバックシステムの役割。
【ポジティブフィードバックシステム】
ポジティブフィードバックシステムは、基本はネガティブフィードバックシステムと同様な働きをするのですが、違いとしてはネガティブフィードバックシステムの流れのまとめ④が逆の働きをします。
つまり、正常な状態からさらに増強するように働きます。
正常の出産を例にすると、胎児はお母さんのお腹から出てくるときに、産道を通って出てきます。
その過程に、起こることを分かりやすくまとめるとこんな感↓↓
① 最初の刺激により胎児のからだの一部は子宮の最も低い場所である子宮頚部に押し出される
② 子宮頚部にある受容器に刺激が入り、神経インパルス(入力情報)を介して脳(調整中枢)へ送る
③ ②が増してくるとホルモンのオキシトシン(出力情報)が血中に分泌される
④ オキシトシンは子宮壁の筋肉をさらに収縮させ、胎児はさらに子宮の低い位置に押し出される
⑤ ④の繰り返しが行われることにより、〈子宮頚部により刺激が加わる→ホルモン(オキシトシン)の分泌増加→子宮壁の筋肉のさらなる収縮>この一連のサイクルが行われる
⑥ 新生児が誕生すると、⑤のサイクルは停止する(子宮筋の弛緩とオキシトシンの分泌停止)
ポジティブフィードバックシステムは正常な状態が持続的に増強されるという働き。
そのため、何かをキッカケとしてその働きを止める必要があるのです。
【まとめ】
〇ポジティブフィードバックシステムはいつもは起こらない状況を増強し、何かをキッカケに止めないと暴走して身体に危険を及ぼす
〇ネガティブフィードバックシステムは体内の状態を長期に渡り安定に維持し、常に一定の状態に保とうとする
ホメオスタシスの失調
通常であれば、ホメオスタシスの崩れ方が少なければ、何かしらの症状や疾患となって表れることが多いが、崩れ方が大きければ、最悪の場合、死に至る可能性もあるため気を付けたいものです。
意識せずとも体内ではこんなに上手く身体を調整してくれているのです。
ついつい、当たり前に思いがちですが、生かされているということを忘れずに。